私たちはそういうものとともにやっていくしかない。それらを受け入れて、私たちは生き残り、そして深まっていく
「たとえば、風は意思を持っている。私たちはふだんそんなことに気がつかないで生きている。でもあるとき、私たちはそのことに気づかされる。風はあなたの内側にあるすべてを承知している。風だけじゃない。あらゆるもの。石もそのひとつね。彼らは私たちのことをとてもよく知っているのよ。どこからどこまで。あるときがきて、私たちはそのことに思い当たる。私たちはそういうものとともにやっていくしかない。それらを受け入れて、私たちは生き残り、そして深まっていく」
村上春樹 東京奇譚集 新潮文庫
「日々移動する腎臓のかたちをした石」166 - 167頁
